味噌カツ・きしめん・味噌煮込みうどん・手羽先など、ご当地グルメの宝庫ともいえる愛知県。東京と大阪の中間に位置し、その影響を微妙に受けながらも、この地ならではの独自に進化を遂げた料理が魅力的。そんな中から「あんかけスパ」と「ひつまぶし」を紹介します。
テレビや雑誌などで、名古屋名物「あんかけスパ」の名を耳にしたことがある方も少なくないのでは。名古屋ではB級グルメというより、一料理としてその地位を確立している存在です!
油やラードで炒めた直径2mmを超える極太麺を使用し、トマトベースのとろみのあるあんかけ風ソースがかかります。このとろみをもったスパイシーなソースと太麺との相性が抜群で、一度食べたらそのお味の虜になること必至! 具材はソーセージやハム、タマネギ、ピーマンなどが一般的ですが、エビフライや目玉焼きなどがトッピングされることも。
1960年代に名古屋で誕生したといわれ、ミートソーススパゲティーを名古屋人が好むようにアレンジしたのがきっかけだとか。名古屋市内にはあんかけスパ専門店が数多く点在。各店こだわりをもったスパイシーなトマトソースなどが提供されているので、お気に入りの店を見つけてみては。
愛知県は、全国有数のウナギ生産量を誇る土地柄。そこで誕生したといわれるのが「ひつまぶし」。ごはんの上に細かく刻んだ蒲焼きが敷き詰められ、まずは4等分にしてから食すのが名古屋スタイル。1膳目はウナギとタレの風味を感じながらそのままいただき、2膳目はネギや海苔、ワサビなどを加え、3膳目はダシ汁や煎茶を加えてお茶漬け風に。4膳目は、一番好きな食べ方でいただくというもの。ひつまぶしひとつで、3種類の味わい方が楽しめるというわけです!
明治時代に名古屋市内の料理店で生まれたと伝えられますが、ひつまぶしの発祥には諸説あり、蒲焼きにされたウナギの切れ端をまかない食として活用した説や、出前をするときにウナギの量を均等にするために、細かく切って提供した説などが残っています。また、「ひつまぶし」という名称は、おひつの中で、ごはんとウナギを混ぜて(まぶして)食べることから名付けられたのものが有力だとか。