「旅行がしたい!」と意気込んではみたものの、何から決めたら良いかわからない人も多いのではないでしょうか? 旅行を計画するときに大切なのは、綿密なプランづくり。思い出に残る旅行にするためにも、目的や条件を明確にして、順序立てて計画を練っていきましょう。
旅のプランづくりは、行き先を決めることから始めましょう。でも、国内から海外まで魅力的な旅行先はいくつもあります。その中からどのように目的地を決めたら良いのでしょうか。
まずは、旅行の目的を決めるところから入りましょう。ハイキングやダイビング、寺院や神社への参拝、温泉、絶景めぐりなど、旅の動機はさまざま。目的をもとに、行き先の候補を挙げていきましょう。
特定のテーマパークや観光スポット、お祭りなどのイベントを訪れる場合、もしくは「古い友人に会いに行く」「昔住んでいた場所を訪ねてみる」という場合には、おのずと行き先は決まってきます。
いくつか行きたいエリアが挙がったら、周辺の観光情報を調べて行き先を最終決定しましょう。おもな旅の目的の他にも、周囲に観光名所などがあれば、旅をより楽しめます。ご当地グルメなど、食べものに焦点を当てて決めるのも良いでしょう。
また、誰と旅をするかも重要なポイント。一人旅であれば、自分の好きなことをすればよいのですが、高齢の両親や小さな子どもとの旅行の場合は、移動の負担などを考えて行き先を設定する必要があります。
次に考えたいのが、旅行に何日間費やせるのかという点です。多忙な現代人にとっては、これが旅の計画を練る大きなハードルのひとつ。2人以上で旅行する場合は、メンバー間の日程調整も必要になってきます。「いつごろ、何日間の旅をするか」を明確にしておきましょう。
年末年始や、学生の春休みにあたる3月、ゴールデンウィーク、お盆、シルバーウィークなどの繁忙期は、航空運賃や宿泊施設の料金が高騰。混雑も激しく、オトクに旅をするという点では不向きです。
反対に、お正月明けから2月にかけてや、ゴールデンウィーク明けから6月までの間は旅行者が比較的少ない傾向にあり、狙い目です。また、12月初旬からクリスマス前にかけても閑散期にあたります。
続いて、予算の決定です。旅行にかかるおもな費用は、交通費、宿泊費、飲食代、レジャー施設の入場料、そしてお土産代など。旅行を通して、いくらくらいまで拠出できるか、お財布と相談して決めましょう。
「だいたい5-6万円」「どんなに使えても20万円」など、ざっくりとした決め方でOK。そうすることで、「宿泊先にお金をかけて近場で過ごす」「飛行機で遠くに行って、宿は安く済ませる」など、さまざまな戦略が見えてきます。
どんな旅行でも必ずかかるのが交通費。目的地が遠くなるほどそのウエイトは高くなり、交通手段のバリエーションも増えてきます。飛行機、新幹線、高速バス、クルマなど、さまざまなルートから最適なものを選びましょう。また、飛行機なら格安航空会社(LCC)、新幹線ならホテルとのパックツアーなどを利用すると、予算を削ることができます。
宿泊費も大きなウエイトを占めます。1人1泊数万円もかかるリゾートホテルや高級旅館もあれば、カプセルホテルやゲストハウスのように数千円で済む施設もあります。宿は、旅の疲れを癒やす重要な場所。どんな場所に泊まりたいかを、旅の目的と予算に合わせて決めていきましょう。
日程と予算が決まったら、いよいよ具体的なプランづくりです。旅行のスケジュールは、ゆとりを持って立てることが大切です。ぎっしりと計画を詰め込んでしまうと、どこかで予定外のことが発生した時に対処しきれない場合があります。
また、同行者に高齢者や小さな子どもがいる場合は、とくに移動時間に余裕を持った計画を立てることをおすすめします。メンバーの中でも体力が低い人に合わせたスケジュールを作りましょう。
交通機関は、天候や混雑状況などによって、定刻どおりの運行ができない場合が考えられます。「空港までの高速バスが遅れ、フライトに間に合わなかった」「新幹線の乗り換えに失敗して、指定席特急券代がパーになった」など、苦い経験をした人も少なくないのではないでしょうか。
とくに飛行機への搭乗は、チェックイン時間が厳しく定められているので、早めに空港に到着するよう心がけたいものです。また、日本では定時運行が当たり前の鉄道も、海外では時刻表が当てにならない場合が多く、ストライキによって交通機関そのものが使えなくなっている可能性もあります。
アクシデントが起きることをある程度織り込んで、代替の交通手段の利用やリスケジュールを想定しておくことが大切です。
パスポートがなければ、そもそも出国ができません。とくに気をつけたいのが、有効期限切れ。有効期限が半年以上先のパスポートでないと入国できない国や地域が多いため、注意が必要です。
パスポートは取得まで2週間以上かかり、ビザの取得にも必要。どんなに遅くとも、1カ月前にはパスポート発給申請を済ませておきましょう。
ビザが必要かどうかは、国や目的、滞在期間によって変わってきます。申請が下りるまでの期間は国によって違いますので、早めの対応が必須です。
また、テロ対策の関係で、アメリカに入国するにはESTA(電子渡航認証システム)の申請が不可欠になっています。オンラインで申請でき、審査時間は72時間以内とされていますが、念のため早めに申請しておくことをおすすめします。
海外では、日本より治安の悪い国も多く、置き引きやスリに遭うリスクも高まります。水道水は飲めず、食事も日本とは異なります。環境の変化で体調を崩してしまい、病院にかかる旅行者も少なくありません。
治安の悪い地域に行かないこと、信用できるガイドや旅行会社を利用すること、海外旅行保険への加入など、さまざまなリスクを低く抑えることが大切です。また海外渡航時には必ず、外務省の「海外安全ホームページ」で安全情報をチェックしておきましょう。
<参考>外務省「海外安全ホームページ」https://www.anzen.mofa.go.jp/
旅行の計画を立てるにはまず、目的を明確にしましょう。食べ歩きや観光スポット巡りなど、目的によって訪れる場所が決まってきます。そして、予算や日程に応じて、交通手段や宿泊施設などを決めていくのが王道と言えます。
また、海外旅行では、パスポートやビザなど、申請・発給に時間がかかるものもあります。ついつい後手後手になってしまいがちですが、トラブルの芽を摘むためにも、下調べと準備に抜かりがないようにしましょう。
そして、ゆとりのあるスケジュールづくりも大切。予定を詰め込みすぎてバタバタしてしまうと、せっかくの旅も楽しさが半減してしまいます。心と身体に余裕を持った旅を楽しんでくださいね。