上空1万メートルを飛ぶ飛行機は気象の影響を受けやすく、大雪、台風、自然災害などの影響で欠航することがあります。いざ空港に向かって欠航を知るとどうしたらいいのか戸惑ってしまうもの。
この記事では、飛行機が欠航したときにやるべきことや振替や補償などについて解説します!
登場予定だった飛行機が欠航した場合の行動はおもに2つ。
フライトをキャンセルするか、別の便に変更するか、です。
フライトをあきらめるのは悲しいですが、予約をキャンセルして全額返金してもらいましょう。悪天候の場合は全便欠航となることもあって、代替便がすぐに確保できるとは限りません。状況によっては運航ダイヤが復旧するまでに時間がかかることもあるので、思い切ってキャンセルするのもアリです。
悪天候で欠航した場合、原則は自社の別便に振替になります。機材故障やシステム障害など航空会社が起因となって欠航した場合は、自社または他社の便に無料で振替して搭乗することが可能です。
ただし、他社便に振替ができるのはレガシーキャリアと呼ばれる従来型の航空会社だけで、格安航空会社(LCC)や一部の航空会社は自社が運航する便のみへの振替となります。
また、振替先はどの航空会社でもいいというわけではなく、通常は連帯運送契約を結んでいる会社に限られます。たとえば、JALとANAは連帯運送契約を結んでいる関係にあるので、相互間の振替が可能です。
振替を希望する場合は、空席状況に応じてできるだけ早く出発するか、または都合の良い日に空席のある便で出発をするかの2通りの選択肢があります。いずれも、もともと予約していた便と同区間・同クラスであることが条件で、経由便を直行便にするなどの変更はできません。
席が確保でき次第出発をしたい場合は、空港カウンターで空席待ち整理券を発券してもらい、順番が回ってくるのを待つのが確実な方法です。空席状況は公式HPでも確認可能な場合があるので、チェックすると良いでしょう。
後日の便に搭乗を希望する場合は、航空会社のウェブサイトで手続きをするか、サービスセンターに電話をして振替便の予約をします。たとえば、ANAでは予約便出発予定日から30日以内への便に再予約を入れることができます。
別の空き便に振替予約をしていても、別の便に空席が出れば繰り上げして搭乗することができるケースもあるので、空の便の席をひとまず確保しつつ、空席待ちリストにエントリーしておくのも賢明です。
ただしJALの「先得」「特便割引」など、本来は変更不可能な運賃プランだと振替便への変更は1回に限られています。
台風や悪天候などにより航空会社都合で欠航となった場合は返金があるケースが多いです。しかし、航空会社により規定は異なります。また、代理店経由で予約した場合は航空会社だけでなく代理店ごとの規定がありますので、予約したサイトの規定を確認しましょう。
上記と同様、航空会社都合の欠航なら払い戻し手数料はかからない場合もあります。こちらも予約した航空会社や代理店により異なりますので、事前に確認しておきましょう。
払い戻しの手続きの有効期限は航空会社によって異なります。たとえば、JALはもともとの出発予定日から40日以内、ANAは30日以内、ピーチは悪天候などの不可抗力による欠航だと10日以内で航空会社の起因による欠航だと30日以内となっています。
また、代理店を通じて購入した場合は航空会社ではなく代理店からの返金となります。代理店によっては出発予定日から5日以内に振込手続きをするようにとのルールを設けていることもあるので、早急な対処が必要です。期限を逃してしまうと、返金申請を受け付けてもらえなくなるので要注意です。
返金は、航空会社から振り込みで行われるのが一般的です。購入時にクレジットカードで支払いをした場合はカードの口座への払い戻しになります。コンビニでの支払いやインターネットバイキング、ATMで振り込みをした場合は、指定の銀行口座への払い戻しになります。
払い戻し完了までに要する日数は、翌日から1~2カ月と、会社や払い戻し方法によって異なります。払い戻しの申請手続きは、一部の例外ケースを除きWebサイト上で行うことができます。
以下で、主要航空会社の払い戻し手続きページをご紹介します。
翌日に出発する便への振替になると、航空会社に宿泊費の負担を申請できる場合があります。その条件は基本的に、機材故障など、欠航と遅延が航空会社に起因しているケースのみ。つまりは悪天候が原因だと対象外となります。
宿泊の補償については各社でルールが異なり、航空会社が手配したホテルに支払いをすることなく宿泊できる場合と、利用者が確保したホテルに宿泊してまずは料金を立て替え、後に請求・返金となる場合があります。
航空会社が負担する宿泊費には上限があります。たとえばANAは、予約便出発予定日から10日以内に搭乗券・領収書などを郵送すると、指定の口座に上限15,000円が振り込まれるようになっています。
格安航空会社は欠航の理由がいかなる場合でも、宿泊費は補償しないのが一般的です。もしもの時の補償の手厚さと運賃とは、比例しがちだと考えておくのもいいかもしれません。
ただしジェットスターは、ケースバイケースですが宿泊費が出ることもあります。飛行機が欠航するとオプションを通知するEメールが送られてくるはずなので、確認しておきましょう。
飛行機の欠航や遅延に関しては、チケット購入時に提出したメールアドレスに案内が送信されるのが通常です。また、運航情報を発信するTwitterのアカウントを開設しているので状況がチェックできます。
欠航や遅延が発生するとサービスセンターが混雑して、電話がつながりにくくなるのは必至。各社のウェブサイトにアクセスすれば、刻一刻と変化する運航状況を知ることができます。
大型台風の接近が予想されているときなどは、事前に欠航が決定されることがあります。出発前は気象予報に気を配り、運航状況をこまめにチェックすると良いでしょう。
飛行機は遠距離でもアクセスするのに便利ですが、天候に影響されやすく欠航が決して少なくはない移動手段です。特に台風が多く襲来する9・10月、また雪国では降雪量が多い12・1月は欠航する確率が高くなりがち。
この時期に旅行をする場合は、欠航も想定したスケジュールを組み、もしもの時にどう行動すればいいかをあらかじめ考えておきましょう!