飛行機が怖いという人の原因の多くが揺れ。巨大な飛行機がガタガタと揺れていると「翼が折れたらどうしよう」「墜落してしまわないか」と不安に感じてしまうものです。
飛行機の仕組みや原因を知っていれば怖さや不安が軽減されます。この記事では、飛行機が揺れる原因と、不安を和らげるための対策をご紹介します!
まずは飛行機が揺れる原因から見ていきましょう。
飛行機の揺れのおもな原因は「乱気流」。乱気流とは上空で大気が渦になってできる空気の流れで、いつどこで起こるかといった正確な予測ができません。
そのため、飛行機が乱気流の中に入ると揺れが発生します。パイロットはできるだけ乱気流が起こっていないところ、起こる可能性が低いところを飛行するようにしているものの、完全に回避することはできません。
雲は水滴や氷の粒が固まって浮かんでいるもの。その中を飛行機が通ると機体に雲を構成する物質がぶつかって揺れが発生します。
雲の形状によっても揺れの強さは変わりますが、積乱雲などの「積雲」と呼ばれる雲の中を飛ぶときは強い揺れを感じやすくなります。
乱気流や雲の影響を受けて揺れると、機内ではすごく揺れているような気がしますよね。しかし、飛行機を外側から見てみると、ほとんど揺れていないように見えるのだとか。体感で感じる揺れは激しくても、飛行機の飛行に影響がでるものではありません。
飛行機に乗ることが怖い、乗ることを考えただけでパニックになってしまう、といった症状を「飛行機恐怖症」といいます。
飛行機に乗った際、揺れがひどくて「このまま墜落してしまったらどうしよう」という恐怖を感じたことのある人がなりやすいといわれています。
乗り込んでから発汗や息切れ、めまいなどの症状があらわれ、飛行している間何もできなくなってしまいます。
軽い症状であれば飛行機内で少し嫌な気分になったり不安に襲われたりするだけですが、重度になると睡眠薬を使わないと飛行機での移動ができないほどの症状が発生してしまいます。
飛行機恐怖症や不安を和らげる対策をご紹介します。
座席の位置によって揺れの影響が異なるので、なるべく揺れの少ない座席を選びましょう。
機内後方は主翼が作りだす「バフェッティング」と呼ばれる気流の流れが発生するため、後方の席はおすすめできません。
なるべく主翼近く、もしくは主翼より前の座席を取りましょう。
寝不足は不健康の元。睡眠不足でのフライトは体調にも影響を及ぼします。
また、睡眠不足で体長が悪いと、自律神経が乱れて血圧も下がって酔いやすくなります。
寝不足の状態で当日を迎えることがないよう、生活リズムを整えましょう。最低でも6時間の睡眠をとりましょう。
満腹を感じるまで食べる必要はありませんが、空腹の状態は避けたいところ。
その理由は、人間の性質にあります。空腹になると嗅覚が自然と敏感になってしまうからです。
普段とは違う空気感を敏感に察知して気持ち悪くなる恐れも。それと同時に、揺れも感じやすくなり、ますます辛い時間になってしまいます。
飛行機に乗る前はお菓子や軽食を取るのがおすすめです。
締め付けの強い服装で登場すると、ストレスが強く体が緊張状態になります。
飛行機に乗る場合は、おしゃれよりもリラックスできるかどうかを優先しましょう。
それほど強くない揺れにも敏感に反応しやすくなるため、ゆとりのあるリラックスできる服装をおすすめします。
フライトの緊張を和らげようとアルコールを摂取する人も多いのですが、実は逆効果。
一時的な不安は和らげてくれるのですが、数時間経過すると不安を悪化させる可能性があります。
国内線の短いフライトなら良いですが、5、6時間を超えるような長距離フライトではおすすめできません。
万全の状態で乗り込んでも、いざ飛行機が揺れると不安で心臓がバクバクして落ち着かない、なんてことも。
古典的な方法ですが、深呼吸はとても効果的。深呼吸をすると体内に酸素が運ばれやすくなり、血圧の安定を促して脳がリラックスできるようになります。
深呼吸は「鼻から吸って口から吐く」が基本。恐怖がピークに達する前に深呼吸をすると、揺れに対して高まる恐怖心を和らげることができます。
機内で用意されているエンターテイメントで気を紛らわせるのもアリです。
飛行機の揺れを意識すればするほどに恐怖を感じてしまうため気にしないことも大切。
機内のエンターテイメント以外に、本を持ち込んで読んだり、頭を使うクイズを解いたりするのもおすすめ。
揺れが気になっているとなかなか眠りにつけないかもしれません。
なので、揺れが少ないときに眠ってしまうのもおすすめ。しっかり眠れるとフライト時間も短く感じられますよね。
仮眠にもなり、目的地に着いてからも活動的に過ごすことができて一石二鳥です。
パイロット・CAはフライト前に、揺れに対する情報共有などを行っています。この打ち合わせを、「クルー・ブリーフィング」と呼んでいます。
内容としては、事前にパイロットが天気図や気象レーダーなどをチェックして立てた揺れの予想を、CAとともに確認。そして、フライトで揺れによる影響が発生しそうなのはどれぐらいの時間帯なのか、そしてどれぐらいの時間揺れが続きそうなのかも確認したうえで、チーフパーサーがサービスプランを考え、CA全員で共有しています。
お客様が不安を感じることなく乗っていられるようにしっかりと事前準備をしているため、安心してフライトを楽しみましょう!