フライト時間に音楽を聴いたり映画を観たり、旅先についての調べ物に活躍するスマートフォン。以前は飛行機内での使用が禁止されていましたが、一定の条件を満たすことで使用できるようになりました。ここの記事では、機内でスマホ・タブレットなどの携帯端末を使う際の注意点や条件を解説します。
離発着時に携帯電話やスマホといった電波を発する電子機器の使用を禁止するアナウンス。慌ててスマホを機内モードにしたり電源を切ったりした経験がある方も多いはず。では、なぜ飛行機内では電波を発する電子機器が使用できないのでしょうか?その理由はおもに2つです。
飛行機には、パイロットが管制官と通信をするための無線アンテナや飛行機の位置情報を確認するアンテナが機体に取り付けられています。このアンテナの発する電波の周波数と、携帯やスマホの電波の周波数が近いため、通信障害が起こる可能性があるのです。
飛行機には様々な電気配線があり、スマホやパソコンなどの電子機器がオンになっていると、電子機器から発生した磁気が電気系統の磁界に影響を与え、誤作動・誤発信を誘発する恐れがあります。
このようなリスクを避け安全で円滑な航空飛行をするために、携帯やスマホを含む電波を発する電子機器の使用が制限されています。
以前は、飛行機ドアクローズ時(搭乗後)からは携帯やスマホ、パソコンの使用は一切禁止されていました。航空法改正によって緩和され、2014年9月から一部の電子機器は飛行機に乗っている間も使えるようになりました。
使用可能な電子機器の詳細は以下になります。
・携帯電話
・スマートフォン
・タブレット端末
・パソコン
・電子ゲーム機
・無線式ヘッドホン・マウス
・デジタルカメラ
・DVDプレーヤー
・テレビ、ラジオ
・デジタルオーディオプレーヤー
・電子手帳、電子辞書
・充電器
航空法改正後も、機内モードにしていない電子機器やトランシーバー、ラジコン等は引き続きドアクローズ後は使用禁止です。
飛行機内で携帯やスマホを使用するためには、機内モード(無線通信をしない状態)にする必要があります。
機内モードとは、携帯やスマホ、タブレット端末の電源をオンにしていても、「データ通信」、「Wi-Fi」、「Bluetooth」、「GPS」の4つの機能を一括で停止できる機能のことを言います。
機内モードという呼び方以外にも、携帯やスマホによって様々な呼び方があり、代表的なものは以下になります。
・オフラインモード
・航空機モード
・フライトモード
・電波OFFモード
・セルフモード
・パーソナルモード
機内モードにした携帯やスマホは、インターネットの閲覧やメールの送受信、通話はできなくなりますが、受信済みのメールの閲覧や、事前にダウンロードした音楽や動画の視聴を楽しむことができます。
ただし、機内モードに設定しても安全運航に支障をきたす恐れがある場合は、電源を切らなければなりません。客室乗務員から使用禁止の案内があった場合は、速やかに指示に従いましょう。
子供と一緒に飛行機に乗る時、子供用携帯を持ち込む場合は注意が必要です。一般的な子供用携帯には、機内モードの設定はなく電源を切らなければなりません。
また、子供の見守りのための機能「電源OFF通知設定」がオンになっていたら、本体の電源を切っても、定期的に電源が入り電波を発してしまう状態になります。
この場合は「完全電源オフ」にするか、「電源OFF通知設定」をオフにする必要があります。
「完全電源オフ」、「電源OFF通知設定」オフの操作が必要な子供用携帯(2023年時点)
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飛行機は多くの乗客が乗っているので、携帯やスマホの「機内モード」を自分だけはしなくても大丈夫だろうと、思ってしまいがちです。もし守らなかったら、罰則はあるのでしょうか?航空法施行規則第164条では、飛行機の安全な運航に支障を及ぼす行為は「安全阻害行為」として禁止されています。携帯やスマホなどの電子機器を、正当な理由なく飛行機外の通信設備に無線通信を行うことも「安全阻害行為」に当たります。
この場合は、機長が禁止命令を交付することができます。その禁止命令に従わない場合は、50万円以下の罰金が科せられることがあります。 この航空法、日本の航空会社だけでなく、日本の領土・領空にある外国の飛行機にも適用されます。実際に、機長の禁止命令に従わずに、離陸直前になっても携帯電話でメールをしていた男が、航空法違反で逮捕されたケースもあります。
ANAとJALでは「機内Wi-Fiサービス」を利用すれば、機内モードをオンにしたままのスマホで、インターネットを利用することが可能になりました。無線LAN対応端末(スマートフォン、ノートパソコン等)なら、どの電子機器でも利用できます。また、どちらもインターネットだけでなく、各航空会社独自のビデオプログラムや機内販売オンラインストアでのショッピングを楽しむことができます。
料金:国内線は無料、国際線は有料
利用時間:国内線は離陸の約5分後から着陸の約5分前まで。国際線は離陸の約10分後から着陸の約10分前まで。
事前準備:ANA公式モバイルアプリ「ANA」のダウンロードが必要
料金:国内線は無料、国際線は有料
利用時間:国内線は離陸の約5分後から着陸の約5分前まで。国際線は巡航高度に達した時点から着陸態勢に入るまで。
事前準備:
インターネット接続のサービスプロバイダー「Gogo」アカウント登録
JAL公式モバイルアプリ「JAL」、タブレットの場合は「JAL Flight Navi」アプリのダウンロード
携帯やスマホは機内モードにすることで、フライト中も使用することができます。通常はオフラインでの使用になりますが、機内Wi-Fiサービスのある航空機なら、フライト中でもインターネットや動画を楽しむことができます。サービスを利用する際は事前準備も必要なので、飛行機に乗る前に機内サービスをチェックしておくことをおすすめします。