エビやカニを代表格に、新鮮な海の幸を食材にした料理やジンギスカン、ラーメンなど、おいしいものが豊富にそろった北海道。今回はその中から、「札幌スープカレー」と「石狩鍋」を紹介します。
今や全国区の知名度を誇るまでになったスープカレー。実はこれ、北海道・札幌で誕生したご当地グルメなんです。札幌市内にある「アジャンタ」という店の薬膳スープがその原型といわれ、当時はまったく具が入っていなかったのだとか。
1975年ごろに常連客からの要望もあり、チキンや野菜などの具をふんだんに入れ、スパイスで味を調えた“薬膳カリィ”として発売したところ、その味が評判に。1900年代には「マジックスパイス」が、インドネシア料理のエッセンスを取り入れ「スープカレー」の名称で売り出し、これが爆発的な人気を誇って、札幌市内に多くのスープカレーを提供する店が誕生するきっかけになりました。
鶏や豚、牛、魚介類などからとられるダシをベースに、スパイスの効いたとろみのないさらりとしたスープが特徴的なスープカレー。大きな具材がゴロゴロと入り、ボリューム感もたっぷり。基本的にライスは別盛りなので、スープに浸しながら召し上がれ!
石狩市発祥の「石狩鍋」は、石狩川をサケの漁場としていた漁師たちによって食べられていた鍋料理で、サケ1匹を余すとこなく使う豪快さある郷土料理。広く一般的に食されるようになったのは、戦後のことだといわれています。
昆布ダシをベースに、サケの頭や中骨、切り身を煮立てスープにはコクと旨みが凝縮。本州の鍋料理で一般的な白菜などの変わりに、キャベツやジャガイモ、タマネギなどの野菜を入れて、甘みを加えるのがポイント! 酒粕やバター、牛乳などを、味噌仕立てのスープの隠し味にすることもあるようです。食べる直前に、筋子や山椒を散らして出来上がり! 寒さの厳しいこの地域では、身体を芯から温める料理として日常的に食べられています。