旅行や帰省など家から離れるときも愛犬・愛猫とは離れたくないもの。
ペットを飛行機に乗せることはできますが、いろいろな注意点があります。
この記事では、ペットを飛行機に乗せる際の航空会社別の条件を紹介します。
ペットを乗せるにはペットの種類や航空会社の手続きによってさまざまな条件があるので、搭乗前に規定を確認しておきましょう。利用する航空会社によっても条件が異なるので注意が必要です。
原則として、どの航空会社でもペットを「小荷物」として飛行機に乗せることができます。ただし、ペットが客室に入れるのは一部の企画便のみとなっており、基本的にはペットは貨物室に預けることになります。
航空社ごとにペットを飛行機に乗せる手続き方法を紹介します。
手続きの締め切り時間や必要な書類が規定されていますので、事前に確認しておきましょう。
ペットの搭乗は有料ですので、料金についてもあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
また、各社とも同意書に記入する必要があります。
同意書とは、「搭乗中に万が一ペットが死傷した場合でも航空会社では責任を負わないことに同意する」という内容。
後にトラブルにならないためにも、詳細を確認し疑問点を解消しておきましょう。
ペットお預けの事前予約サービスを利用するか、出発前に手荷物受託カウンターでペットを預けられます。
事前予約サービス(メール、インターネット、電話にて申込)は出発前日まで、カウンターでの手続きは搭乗30分前までの手続きが必要です。
カウンターでの手続きをする場合には同意書の提出が必要です。料金は¥5,000~(渡航先によって金額が異なります)。
出発時刻の120分前までにチェックインカウンターにて手続きをおこないます。
ペットの輸出入に必要な書類(輸出検疫証明書、健康証明書、確認書=同意書など)を空港スタッフに提示します。
預けた後のペットは、飛行機搭乗まで空調の効いた室内で保管されます。料金は、国内線の場合¥3,000~¥6,000、国際線の場合はチェックイン時に案内されます。
スターフライヤーではペットと一緒に搭乗できるサービス「FLY WITH PET!」を提供しています。
小型犬と猫に限り機内に持ち込み可能です。
同意書を提出のうえ、搭乗30分前までにカウンターにて手続きをおこないます。料金は1区間1ゲージ¥5,000です。
出発の5日前までに電話にて「ペットセーフプログラム」を予約する必要があります。そして、米国内のフライトの場合には出発時刻の2時間30分前まで、米国から他国へのフライトの場合には3時間30分前までにお預かりカウンターにペットを預けます。預ける際には、健康診断書、同意書2通、ペットの顔写真2枚が必要です。料金は125米ドル~です。
ピーチやジェットスターなどのLCC(格安航空会社)ではペットの搭乗は不可と規定されています。対応不可の理由としては、与圧や温度調整、手続きなどのコスト面が考えられます。
ペットを飛行機に乗せる前に準備しておきたいことを紹介します。
飛行機に搭乗する際にペットを入れるケージもしくはクレートを用意しましょう。ケージ(クレート)を持っていない場合、航空会社の貸し出しサービスを利用することもできますが、在庫が切れていることもあります。ケージ(クレート)内の環境に慣れさせ、ペットのストレスを軽減させるためにも、事前に用意しておくと安心です。また、航空会社ごとに持ち込み可能なケージのサイズや重量に関する規定がありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
貨物室も温度調整されていますが、客室と比べて外気温の影響を受けやすいため、夏は保冷材やクールマット、冬は毛布やペット用カイロなどの温度調節グッズを入れておくと安心です。また、室内で飼っている犬・猫は、保温性を高めるアンダーコート(下毛)が多い場合もあるため、夏場のフライトの際にはトリミング店などでカットしておくと良いでしょう。
ペットの熱中症対策に水分補給ができるよう、給水ボトルに水を用意しておくことも重要です。ANAでは、給水ボトルの貸し出しサービスも対応しています。また、搭乗前に食事や水分補給を済ませておくようにしましょう。
安心できるようなアイテムを用意しておくと、ペットのストレスを軽減させることができます。
飛行機の搭乗中に役立つアイテムとしては、使い慣れたおもちゃや毛布、飼い主の匂いの付いた厚手のタオルなどが良いでしょう。
また、到着後のペットの安心を考えれば、食べ慣れたペットフード、いつも使用しているブラシ、首輪やリードなども準備しておくと便利です。
特に犬の場合には、慣れない環境への不安や飼い主との分離不安などから暴れまわってしまったり、問題行動をとってしまったりするケースがあります。
そして、問題行動が激しい場合には搭乗を拒否されてしまう場合があります。
ペットが落ち着いて飛行機に乗れるよう、長時間の搭乗に備えてしつけをしておくこと大事です。ケージ(クレート)に慣れておくことや、給水ボトルの使い方を覚えておくことなども重要です。
飛行機に乗せられるペットの種類は、航空会社ごとに規定されています。例えばANAの場合には、以下のように定められています。
預かり可能なペット・・・犬・猫・うさぎ・ハムスターなどの小動物(ワシ・タカ・フクロウなどの猛禽類は除く)
さらに、預かり可能なペットの場合でもペットケージの大きさや時期により、大型犬や短頭犬種(ブルドッグ、ボクサー、シーズー、テリア、スパニエル、ブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズ)は預かり不可となるケースがあります。
また、亀や金魚、昆虫などの小さな生き物は、他の乗客の迷惑にならない限り、機内への持ち込みが許可されています。
記載されていない動物については、事前にカウンターで確認しましょう。
心臓疾患や呼吸疾患のあるペットの場合、飛行機での長旅が命の危険につながる場合があります。航空会社から命の危険があると判断された場合、搭乗を断られる可能性もあります。もし、航空会社からストップがかからない場合でも、健康状態に不安のあるペットについては必ずかかりつけの獣医師さんに相談してから判断してください。
また、生後数か月以内の子犬や7歳以上の老犬(犬種によって基準は異なります)も同様に断られてしまうケースがありますので、あらかじめ航空会社に確認してください。
日本を出国するためには出国前に動物検疫所で輸出検査(犬の場合は狂犬病とレプトスピラ症の検査)を受ける必要があります。また、渡航先が入国にあたって「狂犬病などの予防注射や検査の証明が必要」としている場合は、予防注射の接種と証明書の提出が必要になります。入国条件は、日本にある相手国大使館にて確認できます。
飛行機にペットを乗せるリスクについて案内します。
フライト中の貨物室は照明が消され真っ暗になってしまいます。また、ペットにとって聞きなれない騒音や振動もあり、大きなストレスがかかってしまいます。
貨物室は室温管理されていますが、客室と同じように快適に保たれているわけではありません。地上では温度が上がりやすく、上空では下がりやすいため、温度調整が苦手なペットにとっては特に負担が大きくなってしまいます。
高度が上がると、貨物室の気圧が下がってしまいます。人間も高い山に登った時に耳が痛くなってしまったり、高山病にかかってしまったりすることがありますが、犬や猫も元気がなくなってしまったり、嘔吐してしまったりするなどの体調不良をきたすことがあります。
ペットを飛行機に乗せた事件に関して、死亡事故にまで発展してしまったケースも数件あります。
例えば、2013年8月、熱中症によりチワワが事故死しています。貨物室に入るまでの待機時間(10分ほど)に炎天下にさらされていたことが原因と考えられています。
また、2018年、アメリカの航空会社でも犬の死亡事故が起こっています。客室乗務員の誤った指示によりペットの入ったケースを温度調整機能の付いていない頭上の荷物入れにしまわされたことが原因とされています。
こうした事故の事例を踏まえて航空会社は、ペットの預かりに関して安全性の注意を高めていますが、利用者側でもリスクがあることを知り、ペットを飛行機に乗せる際には周到な用意が必要であることを強く認識しておきましょう。
原則として、ペットも飛行機に乗せることは可能ですが、犬・猫ともにフライトに適さない種類や条件によって登場を拒否されてしまうケースなどがあるため、事前の確認が必要です。最悪のケースには死亡事故が起こってしまうこともあるほど、飛行機の貨物室はペットにとってストレスのかかる環境であることを理解し、最善の準備をしたうえでペットの預かりサービスを依頼することが重要です。
人間と同様、ペットも家族の一員として安全・快適にフライトを楽しめるよう、グッズの準備や慣れ、事前の水分補給など万全の対策をとりましょう。