龍吟庵(りょうぎんあん)は、臨済宗東福寺の塔頭で臨済宗の僧・大明国師の住居跡です。
東福寺の主要伽藍群から渓谷・洗玉澗に架かる偃月橋を渡った正面にあり、毎月秋に一般公開されます。方丈は室町時代初期に作られたもので、現存する最古の方丈建築であり、国宝に指定されています。
方丈の南、東、西にある3つの枯山水庭園は、昭和の作庭家・森重三玲の手によって造られました。方丈の正面、南に位置する「無の庭」は悟りを表した白砂のみの庭、西側の「龍の庭」は白砂と黒砂で雲海を、石組みで龍を表現。東側にある「不離の庭」は、大明国師が天然痘を患い山に捨てられたときに二匹の犬が狼から守ってくれたという伝説をもとに、赤砂と石組みで表現しています。静かな禅の世界を表現した美しい庭園は見る者の心の揺らぎをそっと沈めてくれます。
東福寺を訪れた際にはぜひ足を運んでほしい場所です。